晴れて社員として企業に採用された場合、最初は試用期間というものが存在しますね。
ある意味お試し期間というわけですが、この間に解雇されてしまうのではないか、不安を感じることもあるのではないでしょうか?
試用期間中にクビになる人の主な理由としては、
- 勤務態度が悪い
- 遅刻・欠勤が多い
- 健康上の問題が発生した
- 経歴詐称があった
といったことが挙げられます。
その他、今回の記事では、
- 試用期間中クビになる人についての詳細
- 能力不足が理由で解雇されるのか
- 試用期間中に解雇される確率はどのくらいか
- 万が一解雇されてしまった場合どうしたらいいか
などについてまとめました。
もくじ
試用期間中にクビになるのはこんな人
繰り返しになりますが、試用期間中に解雇、クビになってしまう理由としては、以下のようなことが考えられます。
- 遅刻・欠勤が多い
- 指導をしても改善されない
- 面接時の話の内容と異なる点がある
まず、相応の理由がない遅刻や欠勤は、社会人としての基本が欠落していると思われても仕方ありません。もちろん無断欠勤は論外です。
遅刻や欠勤が多いのは能力以前の問題になってしまうので、まずはこの点に気をつけていきましょう。
次に、新卒の新社会人であればミスはつきものですし、わからないことばかりです。
会社の先輩や上司は、その点はわかった上で指導をしてくれます。
問題なのは、再三指導をしているにもかかわらず改善されない場合です。
教育をしても意味がないと思われてしまっては、当然のことながら解雇になる可能性は高まります。
また、実際に勤務が始まって、面接時に話した内容と異なる点があった場合も厳しいです。
Word、Excelは、エキスパートレベルで使いこなせるという話だったのに、実際は全然使えないことが判明した・・・となっては、下手をすると経歴詐称になってしまいます。
当たり前のことですが、面接で仕事に影響を与えるような嘘はつかないようにしましょう。
14日以内なら自由に解雇できる?
もしも上記のような理由で解雇される場合は、原則として解雇の30日前に通告をするか、または解雇予告手当が支払われます。
ただし、試用が始まって14日以内であれば、解雇予告などを行う必要なく解雇できるとされています。
といっても、14日以内であれば会社側が自由に解雇できるというわけではなく、解雇に値する相応の理由が必要になります。
もしも、理由なく解雇された場合、その会社はブラック企業と考えていいでしょう。
試用期間中クビになる確率は? 前兆はあるのか
結論をいうと、まじめに働いていれば、試用期間中に解雇される可能性はほとんどありません。
確率や割合を正確に提示するのは難しいですが、厚生労働省の試用期間に関する資料が判断材料になりそうです。
少し古いデータですが、
試用期間終了時の本採用拒否の有無についてみると、本採用しないことがあるが、ここ5年間に事例はない企業が58.0%となっている。一方、本採用しないことがあり、ここ5年間に事例がある企業は13.1%となっている。
参考 労働政策審議会労働条件分科会 第47回資料 | 厚生労働省
とあります。
最近5年間はないが、本採用しないケースもある(5年以上前に行ったかどうかは不明)企業が58%、最近5年間で本採用しないケースがあった企業が約13%という数字です。
本採用した人数と本採用に至らなかった人数がわからないので何とも言えないですが、それでも数%にも満たないのではないかと思います。
繰り返しになりますが、普通に働いていれば、不当に解雇されるということはほぼないです。
それでも、会社に重大な損失を与えてしまったなど、解雇されても仕方ない理由があればクビになってしまう可能性は出てきます。
クビになる場合に前兆があるのか、判断するのはなかなか難しいところがありますが、試用期間中でなくても解雇されてしまう前兆としては、以下のようなことが挙げられます。
- 上司から何らかの警告があった
- 現状を是正するよう指導があった
- 他部署への異動の打診があった
- 退職を勧められた
もしもあなた自身に(業務上や健康上の)何らかの問題があった場合、会社側は何らかの形で指導や警告、打診を行います。
それでも改善が見られない場合、やむを得ず解雇に至るというケースが多いようです。
試用期間で能力不足を理由にクビになるの?
試用期間中に、能力不足が理由でクビになるケースはあるのかというと、基本的には難しいと考えられます。
そもそも新卒で入社した場合は、ものすごい能力を備えている人というのはレアケースでしょう。
これから会社に貢献できるように能力を磨いていく段階ですので、能力不足を理由に解雇というのは無理があります。
ただ、第二新卒や社会人としての経験があり、転職で中途採用となると少し状況は変わってきます。
たとえば、年収1,000万円を超えるようなVIP待遇であるにもかかわらず、それに見合ったスキルや能力がなかったという場合は、能力不足による解雇は正当性があると判断される可能性があります。
万が一、正当な理由がない能力不足が理由でクビになった場合は、労働基準監督署や弁護士などへの相談も検討してみましょう。
試用期間はなぜあるのか?
会社が試用期間を設けているのは、その人がこの会社でちゃんと働くことができるのか、ミスマッチをなくし適応性を見定めるためです。
協調性はあるのか? 人間性に問題はないのか? などを見極めたいからですね。
特に問題がなければ本採用となります。
試用期間については、1ヶ月というところもあれば、半年というところもあり、会社によってバラバラです。
ただ、3ヶ月というところが多いようです。
例外を除き、基本的には試用期間の延長というのはありません。
試用期間中は多少基本給が下がることはありますが、最低賃金を下回ることはありませんし、社会保険も受けられます。
また、試用期間は、あくまでその人の適格性を判断する期間なので、会社が一方的に解雇できる期間ではありません。
労働契約は成立しているので、正当な理由がなければ一方的に解雇することはできないんですね。
万が一試用期間中クビになったら確認したいこと
万が一試用期間中にクビになってしまったら、その理由は確認するようにしましょう。
試用期間で解雇されるというのは、当然ながら相応の理由があるはずですので、今後のために聞いておくことをおすすめします。
もしも、自分でも気がつかないうちに自身に非があるのだとしたら、次の就職先では同じ問題を起こさないよう気をつけることができます。
逆に知らないまま次の勤務先でも同じ問題を起こしてしまったら、本当に時間の無駄になってしまいますよね。
また、自分自身では問題ないと思っていても、周りはそう思わないことがあります。
その際も、「上司がおかしい」と考えるのではなく、「周りはそういう捉え方をするんだ」と真摯に受け止める必要があります。
周りからの指摘をありがたく頂戴し、今後の転職活動に役立てるようにしていきましょう。
いきなり法律や裁判の話はせず、冷静に対処しよう
試用期間中の解雇となると、なかなか冷静になることは難しいかもしれません。
それでも、熱くなってしまって「法律ではこうなっている」「裁判も辞さない」といった話を持ち出してしまうと、会社側も態度を硬化させてしまいます。
まずは、冷静になって「お話する時間をいただいてもよろしいですか」など、話し合いをするようにしましょう。
怒りや不満はグッと抑えて、客観的に冷静に話をしてみることが大切です。
また、そのことで、お互いに歩み寄って折り合いをつけることができたというケースも出てくるかもしれませんね。
こちら側に何も非がなく、話し合いをしてもどうにもならないという場合は、労働基準監督署や弁護士への相談も選択肢になります。
転職を検討するのも賢明なやり方
いずれにしても、相応の理由がないにもかかわらず、試用期間中に解雇するような会社は、ほぼ間違いなくブラック企業です。
ブラック企業に長く勤めても、いいことは何もありません。
あなたの大切な資本を無駄に浪費するだけですよね。
仮に裁判をするとしたら、時間もお金もかかります。
その後解雇が取り消しになったとしても、争った会社で何事もなく再び働くことができるのかどうかという問題もあります。
今の会社が長く勤めるに値しないと判断できるのであれば、転職し再就職を目指すことも選択肢のひとつです。
とはいえ、今すぐ転職というのは難しい話ですよね。
まずは、転職サイトに登録して、じっくり時間をかけて探すのもいいと思います。
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失業保険は支給される?
試用期間中に解雇になった場合、失業保険は支給されるのでしょうか?
まず、失業保険を受け取るには、雇用保険加入から6ヶ月以上経過している必要があります。
そのため、試用期間が3ヶ月というような場合は、失業保険を受け取ることは難しいです。
ただ、前職の経験があり、退職時に失業保険を受け取っていない場合は、条件によって受け取れる可能性もあります。
クビになったら・・・と考えるのは怖い
試用期間中にクビになったらどうしよう・・・と考えると不安になりますし、怖くなって夜も眠れないなんてこともあるかもしれませんね。
ただ、これまでに説明してきたように、試用期間中に解雇されるというのは、かなりまれなケースです。
まずは、遅刻に気をつけ、欠勤もしないよう心がけましょう。
風邪などで体調を崩さないよう、日頃から食事に気をつけたり定期的に運動をしたり、体力作りに励むことも大事ですよね。
健康を損なっては、そもそも働けなくなってしまうので、日々の体調管理にも気をつけていきましょう。
会社では、先輩や上司の教えを真摯に学び、会社に貢献できるようコツコツ努力を積み重ねていけば、問題になることはないと思います。
もちろん、周りとの協調性も大切になってきます。
試用期間中にクビになった場合、履歴書に書く?
もしも試用期間中に解雇されてしまった場合、履歴書にそのことを書いた方がいいのかどうか悩んでしまいますね。
結論をいうと、試用期間中にクビになっても履歴書に書く必要があります。
記入をしなかった場合は職歴詐称になってしまうので、入社後にそのことが判明した場合は大変です。
そのため、履歴書には『都合により退職』『会社都合により退職』という形で記載をするようにしましょう。
面接で詳細を尋ねられた場合も、嘘をつくのは避けた方が賢明です。
やはり、後々になってばれた場合に難しいことになるからです。
自身に非があった場合は正直に話し、その上で今後そのようなことがないよう努力する真摯な姿勢を伝えるようにしましょう。
まとめ
試用期間中に解雇になる主なケース
- 勤務態度が悪い
- 遅刻・欠勤が多い
- 健康上の問題が発生した
- 経歴詐称があった
正社員、契約社員、派遣社員を問わず、試用期間中に解雇されてしまう理由としては、上記のようなことが挙げられます。
上記のような問題がないかどうかチェックし、もしも該当するようであれば正していく必要があります。
あなた自身に全く問題がないのに不当な形でクビになってしまった場合は、その会社はブラック企業である可能性が高いです。
毅然と戦う選択肢もありますが、時間とお金の無駄になってしまう恐れもあります。
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